奮戦記
【03.05.13】こんな修正合意で“戦争する国”に変えるのか
あきれました!
与党3党と民主党が、今日の幹事長・国会対策委員長会談で、有事関連3法案の「修正」問題について「合意」したというのです。
しかも、まともな審議もなく、あす14日に衆院の有事特別委員会で可決し、あさって15日に衆議院の本会議で通過させ参議院に送ろうというのですから。まったく、あいた口がふさがりません。
いったい、この「修正」で、何が変わったというのでしょうか。
基本的人権などについての、ほんのわずかばかりの字句上の「修正」で、海外でアメリカの起こす戦争に参戦するという有事法案の危険な本質は、まったく変わるものではありません。
有事法案は、「日本が攻められたときの備え」ではなく、「攻めるときの備え」なのです。
審議のなかで、米国が海外でおこす先制攻撃の戦争に自衛隊が武力行使をもって参戦し、その無法な戦争に国民を強制動員できる仕組みが明らかになっています。
民主党自身が、昨年、政府の恣意的判断で、アメリカの武力紛争に日本が巻き込まれるのではないかという懸念を表明していたではありませんか。
ところが「修正」協議では、この問題はまったく対象になりませんでした。
民主党の岡田克也幹事長は、11日のNHK討論で、「われわれが問題にしている一つの点だ。国会の中できちんとした担保がとれればいい」「審議のなかでただしていく」とのべていました。
ところが、民主党の議員が9日の有事特別委員会でこの問題をとりあげたところ、政府は、米軍支援のために海外に展開している自衛隊が攻撃されれば、有事法制を発動し、武力で反撃、応戦することをあらためて認めたのです。
「担保」どころか、法案の危険性がいっそう浮き彫りになりました。この点も、「修正」協議にはまったく反映されませんでした。
民主党は、法案の「修正」で、「基本的人権の保障」を具体的に書き込むと言っていました。
「合意」では、「憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならない」とした法案に、「憲法14、18、19、21条そのほかの基本的人権に関する規定は最大限尊重されなければならない」などと明記しました。
しかし、法案はもともと、基本的人権について「制限が加えられる」と明記し、国民の自由と権利を制限するという法体系になっているのです。
民主党の「修正」案も、「(基本的人権を)制約することが余儀なくされるに至った場合」と明記していました。民主党の案も、基本的人権の制限自体を否定しているわけではなかったのです。
小泉首相と民主党の菅代表が、本日夜、国会内で会談し、こんな危険な法案の本質を何ら変えることなく「修正合意」するなど、絶対に認めるわけにはいきません。
審議のすすめ方については、どうでしょうか。
これまで民主党は、他の野党とともに少なくとも「十分な質疑」を主張し、「中央・地方の公聴会を開く」ことについて足並みをそろえていました。
ところが、土壇場になって自民党といっしょに明日の採決まで合意したのですから、これまですすめた野党の合意にも、背を向けたことになります。ほんとうに、腹がたちますね。
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